テンプレ構築&構築のコツ
構築のコツ
勝てるパーティを構築するためには、極論を言えば、負けなければよい。
つまり、相手がどんなポケモンを出してきてもぬかりなく対処でき、崩されなければ必ず勝てる。受けループ的考え方だ。
しかし、ポケモンの戦いは基本的には消耗戦である。
お互いが削り合い、削り切られたところが穴になり、負けに繋がる。
いかに相手に負荷をかけつつ、自分の負荷を最小限に抑えるかが、勝利への鍵である。
相手に負荷を与える方法は様々だが、自分の負荷を抑える方法はシンプルだ。
あらゆるポケモンに対して、パーティの弱点を作らないこと、すなわち回答を用意しておくことだ。
実際のところ、これだけポケモンや技の種類が増えている現在では、あらゆるポケモンに回答を用意するのは難しい。
ただし、採用率の高いポケモンに限れば話は別だ。
ここでは、採用率が高く、対策しなければ即穴を空けられ敗北に繋がるようなポケモンたちへの回答を用意するために、どういった構築をすればよいのかを紹介する。
また、相手に負荷を与える方法の一部も紹介する。
崩されないために必要な役割
ポケモンには得手不得手があり、それぞれに役割がある。
現環境で脅威となるポケモンへの回答を用意するためには、以下の役割を揃えて構築することが一般的であり、テンプレ構築であるといえる。
地面枠
ボルトロスやカプコケコ、サンダーなどの強力な電気タイプへのストッパーとなる。
電気技は通りがよく、止めるために地面の採用が一般的だ。
電気タイプはサブウェポンが貧相なため、基本的には電気技さえ止めてしまえば脅威ではない。
ただし電気ポケモンのめざ氷搭載率は高いので、4倍弱点を持つランドロスやガブリアスでは返り討ちにあう可能性が高い点に注意。
蓄電、避雷針のポケモン、特防の高い草や竜、超特防に厚い電気抜群でないポケモンなどで代用は可能。
例
ラッキー、バンギラス
鋼枠
以前はドラゴン対策として鋼枠が必要だったが、現在は妖、飛、竜、超、毒、草あたりへの対策としての複合的な意味で鋼が採用される。
とりわけ、環境に多いカプをはじめとするフェアリーや、マンダのスカイスキン技、カプテテフのサイキネへのストッパーとしての役割を任せられる。
個別に対応出来ていれば、鋼が必須というわけではないが、鋼抜きで個別に対応する構築は困難。
例
飛行枠
採用率の高いランドロスの地震などの強力な地面技の一貫性をきるため、浮いているポケモンが採用される。
ミミッキュの増加に起因するかたやぶりドリュウズの増加から、特性浮遊ポケモンだけでは対策が不十分であり、飛行タイプの採用が望ましい。
かつ、ランドロスやドリュウズ、ガブリアス、カバルドンあたりに打ち勝てるポケモンであることが要求される。
パーティ全体で地面に強ければ、必須ではない。
例
対炎枠
リザ、バシャ、ウルガへのストッパーを用意しないと全抜きされる。
受けられはしないが、水手裏剣ゲッコウガでも止められる。
パーティ全体で起点にされない構築にしておけば、地・岩技持ちカバルドンなどでも十分なケースはある。
例
対眠り枠
キノガッサのキノコのほうし、カバルドンのあくびなど、眠らせてくるポケモンへの対策が必須。
対策を怠るとパーティが崩壊する。
上から突破できるだけでは不十分。
キノガッサは身代わりや岩石封じを持っているため、素早さの上下関係なく起点を与えてしまえば詰む可能性がある。
カバルドンは、欠伸された後に突破しても、死に出しで出てきた積みアタッカーに起点にされる。
対策は方法はいくつかある。
眠り全般の対策
・カプレヒレやコケコ特性で眠らないフィールドを作る
・ラムの実を持たせたポケモンで突破する
・上から身代わりをはる(後出し困難
・上から挑発する(後出し困難
・眠らない特性や眠り技がきかない特性のポケモンを出す
・火炎玉や毒々玉で状態異常になったポケモンを出す
キノコのほうし、眠り粉対策
・無効になる草タイプのポケモンを出す
・特性草食のポケモンを出す
・特性ぼうじんのポケモンを出す
欠伸対策
・蜻蛉返り、ボルチェン(カバは無効)で居座らずに削る
弱点突破枠
ある一匹の耐久系ポケモンで完封されるパーティは、優れたパーティとはいえない。
また、相手の一匹のアタッカーポケモンで全抜きされるようなパーティもよろしくない。
上述の役割を埋めてあれば、基本的には多くのポケモンに対応できるパーティが構築できているはずだが、おそらく穴はあるはずである。
残りの枠でこの穴を埋める。
たとえば、現環境では、輝石ポリゴン2への対策を怠るとよく詰む。
ポリ2を突破できる威力の格闘技を持ったポケモンや、ポリ2相手に積んで突破できるポケモン、毒毒や滅びの歌影踏みなどで無理やり突破できるポケモンのいずれかが必要。
パルシェンに殻を破られた時に止められるポケモンがいない、なども問題。
パーティ全体の弱点を補う枠は、必ず必要である。
最低でも、PGLシングル使用率ランキング30位程度までのポケモンには回答を用意しておきたい。
崩すために必要な役割
上述の通り、崩されないために必要な役割は重要だが、同時に相手を崩す役割を用意しておくことで、複数の勝ち筋を作ることができる。
ここでは、崩しのスピードを早める手法や計画的な崩し方、崩すために必要な役割を解説する。
崩されないための役割を満たした上で、崩す役割も複数持たせられると、より優れたパーティになる。
交換への圧力
ステルスロックや毒菱、撒菱によって相手のポケモン交換に圧をかけることで崩しのスピードを早める方法。
特にステルスロックは、炎や飛行などの効果抜群で入るポケモンを含むサイクル相手には有効。
リザードンやウルガモスがネックになりそうならば先に撒いておくのも手。
ステルスロックや撒菱は襷潰しにもなり、襷によるエースストッパーを許さない。
撒菱は浮いているポケモンにダメージが入らないので注意。
毒菱も受けループなどには非常に有効。
ただし毒や鋼、浮いているポケモンには注意。
特に毒ポケモンには毒菱を回収されてしまう。
圧倒的火力
後出しによる受けを成立させない圧倒的火力で負荷をかけていく方法。
拘りハチマキや拘りメガネなどを持たせて、相手の受けに負荷をかけていくことでサイクルを崩すのが一般的な方法。
数値で受けにきたポケモンに対しては、相手の予想を上回る圧を与えやすいが、半減以下で受けに来た相手を削るには、相当な火力が必要。
極力通りやすい技で負荷をかけたいところ。
地面技→飛行タイプのように、受けにきたポケモンに無効にされないよう注意。
役割破壊
役割を遂行しにきたポケモンに対して、その役割を破壊するような技を放つことで相手のパーティを崩す方法。
例えば竜に出てきた鋼に対して、大文字を撃つなど。
役割破壊技はメイン技ではないため、4倍弱点などでない限りは基本的には火力がでず、一撃で倒せないことが多い。
そのため、交代読みで放つプレイングが必要とされることもある。
技スペが余っていれば、身代わりを貼って安定した役割破壊を行うことも可能。
毒々による受けポケモンへの負担や、麻痺によるエースの機能停止も役割破壊の一つの手。
また、地割れなどの一撃必殺による受けポケの役割破壊も有効である。
一撃必殺を使う場合は、いかに試行回数を増やすかが重要になるため、交代読みや身代わりからの展開が重視される。
サイクル乱し
蜻蛉返りやボルトチェンジによって、こちらのサイクルを回しつつ、相手のサイクルを崩していく方法。
ボルトチェンジは地面タイプや蓄電・避雷針による無効に注意。
HPは削れないがバトンタッチでも可能。
また、交換先が読めるのであれば交換読み交換でも可能。
相手のサイクル対応を後手にすることで、上述の圧倒的火力や役割破壊と合わせて負荷をかけていくことで崩しのスピードをはやめることができる。
1:1交換
相手のポケモンを問答無用で狩ることで、サイクルに穴を作り、その穴から崩していく戦法。
道連れ・大爆発などによる1:1交換が汎用的だが、メガゲンガーの影踏み滅びの歌や、ジバコイルの磁力による鋼狩りなども一つの手。
ミミッキュ、襷ゲッコウガ・アーゴヨンなどの対面に強く範囲が広いため後出しで受けきれないポケモンなどで狩りとる方法もある。
積みアタッカー
龍の舞や蝶の舞、剣の舞や悪巧みなどの積み技により能力を上げ、エースとして抜いていく戦法。
基本的にはいくら積んでも止められるポケモンは存在するので、上述の方法でサイクルを崩したり削ったりしながら活躍できる環境を作り上げることが大切。
また、積みアタッカーが積むチャンスをいかに作るかが重要。
死に出しやトンボルによって有利対面を作ったり、欠伸や鬼火などの状態異常で隙を作ったり、リフレクターや光の壁などにより耐久を上げたりなど方法は様々。
積みアタッカーをエースにすえるならば、積むチャンスを作る道筋をパーティにいくつか散りばめておくのが有効。
裏エース
見せ合い時点で有利・不利範囲の違う2匹のエースポケモンを用意することで、相手は両方への対策を取るために厳しい選出を迫られ、選出時点から崩しやすくする方法。
表エースを止められるポケモンを起点にできる裏エースを用意するとよい。
表裏両方を止められるポケモンが存在せず、それぞれを止められるポケモンが限られるようなエースを選ぶことが理想。
両方を止められるポケモンの選出が難しければ、相手は2体の枠をエース対策に費やすことになり、パーティに穴が生まれやすい。
まとめ
本記事では、一般的な構築に最低限必要な役割(崩されないために必要な役割)と、 用意しておくと勝ちやすくなる役割(崩すために必要な役割)を紹介した。
今回の記事に沿わない対面構築などの例外はあるので、あくまでテンプレ的な考え方で構築の参考にしてほしい。
このブログではいくつかの構築例を挙げているので、興味がある方はそちらもぜひ。